このたび、2025年5月の社員総会承認後の新理事会で一般社団法人日本臨床技能教育機構代表理事を拝命いたしました。これまでNPO代表等の活動で培ってきた経験や知見を基に本機構の発展に尽力する所存です。
本機構の目的は定款第3条に「臨床技能に関する教育、啓発活動等を通じて、医療従事者の学術・臨床技能を研磨し、国民の医療・保健・福祉の増進に寄与する。」と定められています。この目的を達成するための事業が、定款第4条に(1)臨床技能に関する教育、啓発及び人材育成(2)学術集会の開催(3) 内外の関係学術団体との連絡及び連携(4)その他当法人の目的を達成するために必要な事業が記されています。
従来、卒後教育の手段としては職場内での教育制度、協会や学術団体による研修制度等が多くの割合を占めます。
しかし、昨今の物価上昇や医療費抑制などの流れに対して、診療報酬制度の枠組みでは医療人の賃金ベースアップが追いついておらず、経済的にも卒後のスキルアップが難しい状況へと陥りつつあります。各種学術団体が主催する認定制度は「学会入会(年間費)」や「登録料・更新料」等が必須の場合が多く、複数の資格所持・維持が経済的にも難しい仕組みとなっています。学会・協会の規模が大きいほど運営費がアップし、受講費へと価格転嫁されるため、我々は理事・運営委員を最小限に設定し、事務・管理手続きの簡略化や寄付等によりミニマムな運営を方針として掲げています。費用負担の少ない講習会開催の実現を目指すと同時に、単なる知識の教授ではなく臨床経験豊富な講師陣による「臨床技能」の教育に主眼を置いた講習会を設計していく次第です。
協会でも学会でもなく、すべての医療人のスキルアップを平等かつ丁寧に支援する法人として誕生した組織。
それが「日本臨床技能教育機構」です。
最後になりましたが、医療専門職の皆様が臨床というフィールドにおいて、力を発揮して活躍できるように尽力したいと思います。皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。
2025年6月1日設立
一般社団法人日本臨床技能教育機構
設立時代表理事 石津 佳子